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EGF

EGF(Epidermal Growth Factor)
ヒトオリゴペプチド

EGFとは?

人間の身体は細胞の増殖と分化を繰り返しています。
それによって、常に一定の機能を維持する事が出来るのです。
しかし、活性酸素や紫外線など、様々な刺激によってこの連続性は阻害されます。
ではEGFはどんな作用をもたらすのでしょうか。
EGFは皮膚組織に作用して、皮膚細胞の増殖に寄与する因子。
53個のアミノ酸で形成されたタンパク質の一種で、上皮細胞再生因子のことです。
このEGFは、1962年アメリカの生物科学者コーエン(Stanley Cohen)博士により発見されました。
この発見と生化学研究の功績により、コーエン博士は1986年、ノーベル医学生理学賞を授与されました。

そのメカニズム
人の身体を形成するすべての細胞は、その細胞膜に重要体系チロシンキナーゼが存在します。
このチロシンキナーゼは、細胞外領域、細胞膜貫通領域、細胞内領域という合計3つの領域を持っていて、 細胞膜を貫通するいわゆるパイプの様な働きをしています。
この細胞外領域で細胞増殖因子、EGFが選択的に受容されます。
EGFが結合するとチロシンキナーゼが活性化、細胞内領域に連鎖が繰り返され、最終的にタンパク質合成が増加します。
結果、DNAの複製と細胞の増殖が促進されるのです。

加齢とEGFの減少
優れた作用を持つEGFなのですが、残念ながら加齢と共にその分泌量は減少します。
この減少により、私たちの身体は様々な老化現象を起こします。
表皮のターンオーバーの遅延、セラミドや天然保湿因子(NMF)の生成能力を低下、 真皮ではコラーゲンやエラスチンの生成能力が著しく低下。
加齢と共に失われるEGFの積極的な補給は、皮膚関連細胞を再生させ、細胞の転化を常に促進させるため、 老化現象を穏やかなものにします。
また、アメリカで行われた臨床試験では,細胞再生因子(EGF)を60日間使用した後の細胞は、細胞量を大幅に増加させることが実証されています。
老化の兆候であるしわやたるみを修復し、ターンオーバーを促進させる事でシミやくすみを改善。
近年、遺伝子工学の発展によりEGFの製造が可能になりました。
また、その安全性が確認され、今では医薬品や化粧品に活用されています。

◎まとめ

EGFを肌に補給することにより,年齢とともに低下する肌本来の力を助け、皮膚細胞の新生を促すことができる。
EGFをお肌に散布しても,細胞に浸透後,飽和状態になった場合はそれ以上細胞内に取り込まれることがない。このため,副作用のない安全な成分として注目されている。
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